EX.現実~Girls meet the ideal world~
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お久しぶりです、今回は本の感想です。
ツイッターで呟こうにも短く収められる気がしなかったのでこちらで。
タイトルにある通りC86発行 EX.現実~Girls meet the ideal world~ の感想です。
サークルMEMENT MORI の14さんの作品。
この作品は漫画媒体と、特殊裁断で切り取られた分のメモ帳の2つでセットです。
あまりこの逃げ口上を使いたくないですが、あくまで感想であって解説やら解読やらしたものではないことには留意していただきたい。正直、これ、読み返しても理解に及ばないところ多くあるので、私の理解力と読解力でここまでは判読できた、という部分と、それに併せてのどう感じたか、という話だけです。
前置きおわり。
この話は秘封倶楽部が幻想郷に辿り着く、という展開です。
まず最初にトリフネにいるところから始まり『なんとなくこっちに行けばいい気がする』と二人とも認識しながら奥に進み、その場所から幻想郷に至ります。割と展開が早いですが、それは秘封の二人が『行き方を知っていたから』と認識することにします。しましょう。
その先からは幻想郷の面々と、外の世界から来た不思議な二人組との楽しそうな交流が展開されます。
ここの描写はよくある展開でもあり『幻想郷を理解するために必要な事項』を描くために結構なページ数と描写を使用しています。天然の食材、妖怪、古い機械、そしてスペルカード。
秘封倶楽部の二人にとって理想としてきただろう世界が描かれているはずです。
その描写の中でメリーが見せる憂いの表情と、そこからの幻想郷との決別の言葉。
幻想郷もまた蓮子とメリーが嘆いていた『管理社会』であったことの確認。
秘封倶楽部と幻想郷を描く作品が多い中で、最終的に秘封倶楽部の二人は『自分達の世界に還る』ことが多い。というか、幻想郷に居続けようとするor居続けようとしても紫や他の妖怪の手によって還されることが多い。
私が知ってる中で初めて『ここは私たちの理想郷ではない、だから還ろう』と言う作品に出逢った。
上記のものはおそらく二次創作的に『秘封倶楽部は幻想郷を追い求め続けるもの』という認識が強いがために、辿り着けない・辿り着いても還されて「今度こそ行ってやるから!」となる展開が多いのだとは思うが、「ここは私たちの理想じゃない」という否定は非常に珍しいと言える。夢違科学世紀において秘封の世界では子供たちが夢を見なくなった、逆に夢の世界(幻想郷)では子供達が笑っている、という『幻想郷こそ理想郷である』という認識がどうしても在ったと思う。
その否定は二次創作においての硬い岩を穿つ鉄砲水のようだと思いました。
そして帰還を決意した二人が博麗神社へ行くと待ち受ける八雲紫『弾幕ごっこに勝てば還れる』という条件のスペルカード戦。
私も書いたけど、やはり秘封倶楽部のスペルカード戦は浪漫。二人でのスペルも、やはり、浪漫。
書く順番間違えたけど、34pからラストまでの流れが性急に感じた。
性急というか、説明台詞に徹していた、という感じ。読者に分かり易くするための言葉だけを並べていて余裕を感じなかった。設定は、全部見えなくても、別に、いいんじゃ、ない、かしら。と歯軋りした。今作品において一番残念なのはその流れかな。
スペルカードとその代償による秘封倶楽部の帰還、そしてオチ。
八雲紫の協力もあって、幻想郷の記憶を棄却することで元の世界に還る道を得た秘封倶楽部。オチは、まぁ、アレだ。読んでくれ。トイヘルベッケでよく見るアレだっていうと多分本人落ち込むかもだけど、私も好きなアレだ。
そんなことはどうでもいいんだ(よくないけど)。
問題はこの作品の一周目じゃなくて二周目以降なんだ。
『宇佐見蓮子はどこまで識っていたのか』
これがこの作品においての全てなんじゃないか、と私は思っている。
特殊裁断におけるメモ帳の中に、秘封倶楽部の二人のメモがいくつか書かれている。
その中にメリーと思われる言葉で『蓮子が理想郷に行く方法を見つけた』と書かれているがその方法が『演算』であることも書かれている。またこの内容は外の世界で書かれた場合もあるが、幻想郷内で書かれた可能性もある。幻想郷にいて理想郷の行き方、というと若干首を傾げるが、そこは割愛。
『演算』
つまり、計算すれば何度でもその着想に至れるわけだ。
記憶を喪ったとしても。
そこで最初のシーンを思い出す。
トリフネ内で二人は『なんとなくこっちに行けばいい気がする』と奥に行って幻想郷への道を見つけた。
とすると、理想郷へ辿り着いたのは何度目なのか?
他の理想郷なのか、それとも次元の違う幻想郷なのか、それとも幻想郷内の記憶という記憶が『管理者によって操られた』幻想郷なのか。
最後だとすると、それはそれは残酷な話ですわ。
しかしあるいは残酷なのかもしれない。
ラストのスペルカード、夢と現実を結ぶ次元列車に乗った蓮子は、最後に八雲紫の背中を見る。この時の蓮子は何を思っていたのか。
思うに、蓮子は終始、総てを知っているかのようだった。
トリフネのエンプティにおいての言葉、決別での結論においても彼女は『幻想郷は管理社会である』と分かっていながら敢えて言わずに幻想郷での日々を楽しもうとしていた、そしてスペルカードを出したのも蓮子であり還るための次元列車をメリーと合体技で出したのも蓮子。
『宇佐見蓮子はどこまで識っていたのか』
オチがアレなだけに、他の二次創作も踏まえて「分かっていてなお秘封倶楽部を続ける宇佐見蓮子」を考えた上でもう一度読み返す。
彼女にとっての理想とは、一体どんなものなのか。
管理された理想郷を否定した彼女たちが向かう未来はどんなものなのか。
幻想郷は理想郷足りえない(現実の延長【EX.現実】な)のか。
エンプティルームで見つけたのが理想ではない理想郷という概念を繰り返さずに済むのか。
などなど、色々と考える作品でした。
ま、全然違うだろうけどな! 私がそう読み取っただけさぁ!(出た、逃げ口上
オチがオチなので、詳しく聞くのは野暮かなぁと思ってここで吐くだけに終わらせましょう。
本人様がいらっしゃったら、そうね、あの、土下座しよ。
ツイッターで呟こうにも短く収められる気がしなかったのでこちらで。
タイトルにある通りC86発行 EX.現実~Girls meet the ideal world~ の感想です。
サークルMEMENT MORI の14さんの作品。
この作品は漫画媒体と、特殊裁断で切り取られた分のメモ帳の2つでセットです。
あまりこの逃げ口上を使いたくないですが、あくまで感想であって解説やら解読やらしたものではないことには留意していただきたい。正直、これ、読み返しても理解に及ばないところ多くあるので、私の理解力と読解力でここまでは判読できた、という部分と、それに併せてのどう感じたか、という話だけです。
前置きおわり。
この話は秘封倶楽部が幻想郷に辿り着く、という展開です。
まず最初にトリフネにいるところから始まり『なんとなくこっちに行けばいい気がする』と二人とも認識しながら奥に進み、その場所から幻想郷に至ります。割と展開が早いですが、それは秘封の二人が『行き方を知っていたから』と認識することにします。しましょう。
その先からは幻想郷の面々と、外の世界から来た不思議な二人組との楽しそうな交流が展開されます。
ここの描写はよくある展開でもあり『幻想郷を理解するために必要な事項』を描くために結構なページ数と描写を使用しています。天然の食材、妖怪、古い機械、そしてスペルカード。
秘封倶楽部の二人にとって理想としてきただろう世界が描かれているはずです。
その描写の中でメリーが見せる憂いの表情と、そこからの幻想郷との決別の言葉。
幻想郷もまた蓮子とメリーが嘆いていた『管理社会』であったことの確認。
秘封倶楽部と幻想郷を描く作品が多い中で、最終的に秘封倶楽部の二人は『自分達の世界に還る』ことが多い。というか、幻想郷に居続けようとするor居続けようとしても紫や他の妖怪の手によって還されることが多い。
私が知ってる中で初めて『ここは私たちの理想郷ではない、だから還ろう』と言う作品に出逢った。
上記のものはおそらく二次創作的に『秘封倶楽部は幻想郷を追い求め続けるもの』という認識が強いがために、辿り着けない・辿り着いても還されて「今度こそ行ってやるから!」となる展開が多いのだとは思うが、「ここは私たちの理想じゃない」という否定は非常に珍しいと言える。夢違科学世紀において秘封の世界では子供たちが夢を見なくなった、逆に夢の世界(幻想郷)では子供達が笑っている、という『幻想郷こそ理想郷である』という認識がどうしても在ったと思う。
その否定は二次創作においての硬い岩を穿つ鉄砲水のようだと思いました。
そして帰還を決意した二人が博麗神社へ行くと待ち受ける八雲紫『弾幕ごっこに勝てば還れる』という条件のスペルカード戦。
私も書いたけど、やはり秘封倶楽部のスペルカード戦は浪漫。二人でのスペルも、やはり、浪漫。
書く順番間違えたけど、34pからラストまでの流れが性急に感じた。
性急というか、説明台詞に徹していた、という感じ。読者に分かり易くするための言葉だけを並べていて余裕を感じなかった。設定は、全部見えなくても、別に、いいんじゃ、ない、かしら。と歯軋りした。今作品において一番残念なのはその流れかな。
スペルカードとその代償による秘封倶楽部の帰還、そしてオチ。
八雲紫の協力もあって、幻想郷の記憶を棄却することで元の世界に還る道を得た秘封倶楽部。オチは、まぁ、アレだ。読んでくれ。トイヘルベッケでよく見るアレだっていうと多分本人落ち込むかもだけど、私も好きなアレだ。
そんなことはどうでもいいんだ(よくないけど)。
問題はこの作品の一周目じゃなくて二周目以降なんだ。
『宇佐見蓮子はどこまで識っていたのか』
これがこの作品においての全てなんじゃないか、と私は思っている。
特殊裁断におけるメモ帳の中に、秘封倶楽部の二人のメモがいくつか書かれている。
その中にメリーと思われる言葉で『蓮子が理想郷に行く方法を見つけた』と書かれているがその方法が『演算』であることも書かれている。またこの内容は外の世界で書かれた場合もあるが、幻想郷内で書かれた可能性もある。幻想郷にいて理想郷の行き方、というと若干首を傾げるが、そこは割愛。
『演算』
つまり、計算すれば何度でもその着想に至れるわけだ。
記憶を喪ったとしても。
そこで最初のシーンを思い出す。
トリフネ内で二人は『なんとなくこっちに行けばいい気がする』と奥に行って幻想郷への道を見つけた。
とすると、理想郷へ辿り着いたのは何度目なのか?
他の理想郷なのか、それとも次元の違う幻想郷なのか、それとも幻想郷内の記憶という記憶が『管理者によって操られた』幻想郷なのか。
最後だとすると、それはそれは残酷な話ですわ。
しかしあるいは残酷なのかもしれない。
ラストのスペルカード、夢と現実を結ぶ次元列車に乗った蓮子は、最後に八雲紫の背中を見る。この時の蓮子は何を思っていたのか。
思うに、蓮子は終始、総てを知っているかのようだった。
トリフネのエンプティにおいての言葉、決別での結論においても彼女は『幻想郷は管理社会である』と分かっていながら敢えて言わずに幻想郷での日々を楽しもうとしていた、そしてスペルカードを出したのも蓮子であり還るための次元列車をメリーと合体技で出したのも蓮子。
『宇佐見蓮子はどこまで識っていたのか』
オチがアレなだけに、他の二次創作も踏まえて「分かっていてなお秘封倶楽部を続ける宇佐見蓮子」を考えた上でもう一度読み返す。
彼女にとっての理想とは、一体どんなものなのか。
管理された理想郷を否定した彼女たちが向かう未来はどんなものなのか。
幻想郷は理想郷足りえない(現実の延長【EX.現実】な)のか。
エンプティルームで見つけたのが理想ではない理想郷という概念を繰り返さずに済むのか。
などなど、色々と考える作品でした。
ま、全然違うだろうけどな! 私がそう読み取っただけさぁ!(出た、逃げ口上
オチがオチなので、詳しく聞くのは野暮かなぁと思ってここで吐くだけに終わらせましょう。
本人様がいらっしゃったら、そうね、あの、土下座しよ。
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