例大祭新刊『Promise』のパチカ加工あれこれ
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例大祭12の新刊『Promise』の装丁における目玉はなんといってもパチカ口絵。
結構難しい装丁で、あとお値段も結構するので、中々手を出しにくいものですが、今回のは綺麗に出来たと思いますので、その制作過程やらをここに記したいと思います。
写真の枚数が多く、文章も長くなるかと思いますが、お付き合いいただければ。
印刷所はアクシス出版さんです。http://www.axis-publication.com/option/pachika_kuchie/index.html
まずは書影。魔理沙ちゃん可愛い。

アクシス出版さんが扱ってるパチカの紙はパチカ130kgとパチカ200kgがあります。
Promiseで表現したいものに春雪異変の模倣、というのがあって『雪』と『桜』そして樹がファクターとして存在してました。
当初、色として雪の白と桜のピンクを分けたかったので、『パチカの熱加工とは別途、パチカへの印刷は可能か』問い合わせました。
去年の例大祭では遊び紙印刷をやったので、まぁ、出来たらいいなーと。
で、パチカへの加工として、以下三点が上げられました。パチカに多色の成功例としてこちらのページを参考にhttp://www.meishist.net/gallery/design168.html
そしてアクシスさんからサンプルが届きました。この時点では無料です。

↑の写真、上部は普通にパチカでやる『加熱型押し』
触って感触がよくわかる感じで凹んでます。凹んだ部分が薄くなり、半透明になり、奥が透けて見えるようになります。
下部は『箔押し加工(黒)』パチカに箔押しです。遠目から見ると結構綺麗に見えますが、近付いて見ると滲んでる部分があります。パチカの難しいところ。そういう雰囲気のデザイン、というのであれば逆に良いかも。

↑は三点目の加工方法『シルクスクリーン印刷』です。こちらはさらに縁がゴワゴワしてます。バスケットマンは割りとガビガビしてます。また、左足の辺りは紙がよれてしまっています。パチカの難しいのはこの紙の性質ですね。製本したらよれよれだったら……と考えると怖いです。
↓は加熱型押し、箔押しのパチカ表紙を横から撮った写真。むっちゃカーブを描いてます。『口絵』はいけても『表紙』でパチカをやるとしたら物凄い勇気か、「これはこういうものだ」という考えが必要かもしれません。

さて、サンプルを頂いて色々とあーだこーだ、どういうデザインで雪と桜を描くか、二色をどう表現するか、うーだこーだ、とパチカイラストを担当してくれたべにしゃけさん、アクシス出版の担当者さんと相談した結果。
パチカ200kgに『加熱型押し』+裏にピンクの遊び紙 で行く方向になりました。
当初は箔押しを別途、と考えましたが、成功率やら予算やら、というか、普通に加熱型押しで綺麗に出せそうだ、という結論の元、口絵のサンプル用イラストをべにしゃけさんに描いて貰いました。
アクシスさんに「これでサンプル作ってみてください」、と投げました。
回答:ベタ面積が多過ぎます。高確率でよれよれになります。直した方がいいです。
ベタ面積が多いとどうなるかのサンプルを送ります。
送られてきました。


↑の二種類です。
正面から見ても波打ってます。それに紙に折れ目がついてしまっています。
↓は横から見たのです。


こいつはまずい、ということで、べにしゃけさんに「修正お願いします」と出しました。
この時点のサンプル出力はしてません。
可能な限り葉や、樹の部分を線画にしてもらって、修正データを投げました。
この時点で私の方の依頼はパチカ200kgでしたが、パチカ130kgと両方のサンプルを送ってくれました。
おおよそ2万円がサンプル出力の料金です。
正面と横からの写真が続きますが、どちらも上が130kg、下が200kgです。
正面


横


手触りから言うと、200kgの方がふかふかで贅沢です。
が、200kgの場合よれが大きくなる印象があります。
また、遊び紙を後ろに置いて透かせると、130kgの方が薄いので綺麗に透けました。
最終的にパチカ130kgでお願いしました。
多少のよれはありますが、製本すれば圧で平らになるだろうと祈りながら……
で、完成したのが下のです。


いい感じに出来たんじゃないでしょうか。
正面から見るとよれた部分は特になさそうです。
横から見ると持ち上がってるかもですが、紙が厚いのでこういうものでしょう。
私の方では特に気になりません。むしろ綺麗に出来てると喜んでますね。ふふふ。
と、いう感じに、パチカは紙自体が難しく、加熱型押しで紙を変形させるので、更に難しい、上に高いという中々にハードルが高い逸物ですが、実際触ると気持ちいいし、トレーシングペーパー遊び紙で透けさせるよりもデザインが面白くできるかと思います。
ベタ面積によって失敗する可能性があることを考えると、やはりサンプル出力をした方がいいかもしれませんね。
ちなみに後ろの遊び紙は 彩雲 桃100kg です。
アクシス出版さんのラインナップには(彩雲 虹はある)ないものだったので、取り寄せて貰いました。
今回も何十回とやりとりをさせて頂きまして、アクシス出版さんのおかげでこの本がステキな装丁で頒布することが出来ました。
ありがとうございます。
ではでは。
あ、Promiseはメロンブックスで委託してますので。よければお手にとってパチカ口絵を実感して頂ければ。
promiseの通販・購入(鏡花風月)はメロンブックス | メロンブックス https://www.melonbooks.co.jp/detail/detail.php?product_id=124347
結構難しい装丁で、あとお値段も結構するので、中々手を出しにくいものですが、今回のは綺麗に出来たと思いますので、その制作過程やらをここに記したいと思います。
写真の枚数が多く、文章も長くなるかと思いますが、お付き合いいただければ。
印刷所はアクシス出版さんです。http://www.axis-publication.com/option/pachika_kuchie/index.html
まずは書影。魔理沙ちゃん可愛い。

アクシス出版さんが扱ってるパチカの紙はパチカ130kgとパチカ200kgがあります。
Promiseで表現したいものに春雪異変の模倣、というのがあって『雪』と『桜』そして樹がファクターとして存在してました。
当初、色として雪の白と桜のピンクを分けたかったので、『パチカの熱加工とは別途、パチカへの印刷は可能か』問い合わせました。
去年の例大祭では遊び紙印刷をやったので、まぁ、出来たらいいなーと。
で、パチカへの加工として、以下三点が上げられました。パチカに多色の成功例としてこちらのページを参考にhttp://www.meishist.net/gallery/design168.html
そしてアクシスさんからサンプルが届きました。この時点では無料です。

↑の写真、上部は普通にパチカでやる『加熱型押し』
触って感触がよくわかる感じで凹んでます。凹んだ部分が薄くなり、半透明になり、奥が透けて見えるようになります。
下部は『箔押し加工(黒)』パチカに箔押しです。遠目から見ると結構綺麗に見えますが、近付いて見ると滲んでる部分があります。パチカの難しいところ。そういう雰囲気のデザイン、というのであれば逆に良いかも。

↑は三点目の加工方法『シルクスクリーン印刷』です。こちらはさらに縁がゴワゴワしてます。バスケットマンは割りとガビガビしてます。また、左足の辺りは紙がよれてしまっています。パチカの難しいのはこの紙の性質ですね。製本したらよれよれだったら……と考えると怖いです。
↓は加熱型押し、箔押しのパチカ表紙を横から撮った写真。むっちゃカーブを描いてます。『口絵』はいけても『表紙』でパチカをやるとしたら物凄い勇気か、「これはこういうものだ」という考えが必要かもしれません。

さて、サンプルを頂いて色々とあーだこーだ、どういうデザインで雪と桜を描くか、二色をどう表現するか、うーだこーだ、とパチカイラストを担当してくれたべにしゃけさん、アクシス出版の担当者さんと相談した結果。
パチカ200kgに『加熱型押し』+裏にピンクの遊び紙 で行く方向になりました。
当初は箔押しを別途、と考えましたが、成功率やら予算やら、というか、普通に加熱型押しで綺麗に出せそうだ、という結論の元、口絵のサンプル用イラストをべにしゃけさんに描いて貰いました。
アクシスさんに「これでサンプル作ってみてください」、と投げました。
回答:ベタ面積が多過ぎます。高確率でよれよれになります。直した方がいいです。
ベタ面積が多いとどうなるかのサンプルを送ります。
送られてきました。


↑の二種類です。
正面から見ても波打ってます。それに紙に折れ目がついてしまっています。
↓は横から見たのです。


こいつはまずい、ということで、べにしゃけさんに「修正お願いします」と出しました。
この時点のサンプル出力はしてません。
可能な限り葉や、樹の部分を線画にしてもらって、修正データを投げました。
この時点で私の方の依頼はパチカ200kgでしたが、パチカ130kgと両方のサンプルを送ってくれました。
おおよそ2万円がサンプル出力の料金です。
正面と横からの写真が続きますが、どちらも上が130kg、下が200kgです。
正面


横


手触りから言うと、200kgの方がふかふかで贅沢です。
が、200kgの場合よれが大きくなる印象があります。
また、遊び紙を後ろに置いて透かせると、130kgの方が薄いので綺麗に透けました。
最終的にパチカ130kgでお願いしました。
多少のよれはありますが、製本すれば圧で平らになるだろうと祈りながら……
で、完成したのが下のです。


いい感じに出来たんじゃないでしょうか。
正面から見るとよれた部分は特になさそうです。
横から見ると持ち上がってるかもですが、紙が厚いのでこういうものでしょう。
私の方では特に気になりません。むしろ綺麗に出来てると喜んでますね。ふふふ。
と、いう感じに、パチカは紙自体が難しく、加熱型押しで紙を変形させるので、更に難しい、上に高いという中々にハードルが高い逸物ですが、実際触ると気持ちいいし、トレーシングペーパー遊び紙で透けさせるよりもデザインが面白くできるかと思います。
ベタ面積によって失敗する可能性があることを考えると、やはりサンプル出力をした方がいいかもしれませんね。
ちなみに後ろの遊び紙は 彩雲 桃100kg です。
アクシス出版さんのラインナップには(彩雲 虹はある)ないものだったので、取り寄せて貰いました。
今回も何十回とやりとりをさせて頂きまして、アクシス出版さんのおかげでこの本がステキな装丁で頒布することが出来ました。
ありがとうございます。
ではでは。
あ、Promiseはメロンブックスで委託してますので。よければお手にとってパチカ口絵を実感して頂ければ。
promiseの通販・購入(鏡花風月)はメロンブックス | メロンブックス https://www.melonbooks.co.jp/detail/detail.php?product_id=124347
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